バックナンバーINDEXへ戻る
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆週刊☆ 経営いろは帖 Vol.205 2007/02/12 毎週月曜日発行

執筆・発行/株式会社総合教育研究所 石橋正利
http://www.sk-k.co.jp
http://www.sogokyouiku.com/ (ブログ)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このメールマガジンは、名刺交換をさせて頂いた方、ホームページより
ご登録を頂いた方などのご縁を頂いた皆様に配信させて頂きます。皆様
のお仕事においてこの情報が少しでもお役に立てれば幸いです。

============================================================
モチベーション・マネジメント(5) −お金より名誉−
============================================================
 同志社大学政策学部教授の太田肇さんの「お金より名誉のモチベーション論」
(東洋経済新報社刊)から、日本独特のモチベーションを考えて見ましょう。

 どうも、日本人の価値観は、依然として、お金よりも、周囲からの承認や
名誉を重視しているというのです。経済学が想定しているお金が全てといった
「経済人」(ホモ・エコノミカス)ではなく、周囲から認められたい、尊敬され
たいと願う、それによって動機づけられる人間観、人間像をもつ「承認人」
(ホモ・リスペクタス)だと。

 それと、「出る杭」が打たれるという日本の社会風土の影響だ。

 東京近郊の中学生を対象にしたある調査では、「友と同じ行動をとり、1人
だけ目立った行動をしない」ようにしている生徒が80%に及ぶという。こうした
日本人の行動は、自分が傑出したり、大きな業績を上げたりして積極的に認め
られることより〈表の承認〉、嫌われたりしないことで消極的に認められよう
としている〈裏の承認〉のではないか。

 こうした〈裏の承認〉は、組織の人間関係と深く関わっている。例えば、
技術者の世界では、仕事を超えた師弟関係があり、師匠は弟子を一人前に育て、
弟子はその恩義を一生忘れないといった関係があったと思われるが、現在は、
研修制度を充実させる方向に変わった。そのことで、恩と義理によって成立して
いた人間関係が断ち切られる結果になったのではないか。

 世界で初めて超小型歯車を開発した樹研工業では、30年前から、一種の徒弟制
を取り入れており、「弟子が師匠を選べる」ようにしてあるそうだ。当然、技能
の優れた師匠のところへは多くの弟子がやってくることになる。だから、師匠は
ウカウカしていられない。自分の弟子を1人でも増やそうとウデを磨き、熱心に
教えることになる。OJTの真髄はここにあるかも知れない。

(文責:株式会社総合教育研究所 石橋正利)

★次号予告★
----------------------------------------------------------------
次回は『生きがいの組織論 −小林茂の小集団活動−』です。
----------------------------------------------------------------

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆週刊☆ 経営いろは帖 << 株式会社総合教育研究所 代表:石橋正利 >>
----------------------------------------------------------------------
■ご意見・ご感想は → ishi@sk-k.co.jp
■バックナンバーは → http://www.sk-k.co.jp/iroha/back_number.html
■メール登録解除は → http://www.sk-k.co.jp/iroha/index.html
----------------------------------------------------------------------
※当メールマガジンに掲載された記事を、許可なく転載することを禁じます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
バックナンバーINDEXへ戻る