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☆週刊☆ 経営いろは帖 Vol.225 2007/07/02 毎週月曜日発行

執筆・発行/株式会社総合教育研究所 石橋正利
http://www.sk-k.co.jp
http://www.sogokyouiku.com/ (ブログ)
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リーダーの指針(3) −仲間と協力者の形成−
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 夢と希望を実現するためには、仲間や協力者がいるか、いないかで、
その実現度に大きな差がついてしまいます。第三の指針は、仲間や協力者が、
心から応援してくれるかどうかの決め手となる指針です。

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仲間、協力者の形成は、夢と希望の大きさに比例します。燃えるような
情熱が、点から線へ、線から面へ、そして全面展開へと輪を広げて行きます。
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 「夢と希望」を持つことにより、不可能だと思えるようなことさえも
可能にしてしまう力を発揮できることが分かりました。しかし、「夢と希望」
の大きさによっては、実現の可能性に差が出てきます。自分勝手な、自分
だけよしのレベルでは、周囲の仲間が知らん顔であったり、協力者が現れ
ないまま、一人ぼっちになってしまうことさえあります。仲間、協力者が
できるか、どうかは、掲げる夢と希望の大きさに比例するのです。

 夢と希望の大きさとは何かを考えてみましょう。小さな夢や希望の代表的な
ものは、「車が欲しい。家を建てたい。もっと高い給料をもらいたい」といった
個人的な事柄が挙げられます。すべての動物に自己保存本能があるわけで、
夢と希望も、生存のための欲求がベースにあることは、その事自体が悪いこと
ではありません。快適な住まいに住みたい、美味しいものを食べたいといった
人間の生理的欲求や、周囲から褒められたい、認められたいという自尊的欲求が、
生きる喜び、目標となったり、衣食住の産業を発展させてきたのですから。

 ただし、自分中心の、自己都合を優先する傾向が強くなりすぎると、人を
騙したり、人を蹴落としたり、自分だけが独占所有しようとする強欲さが、
周囲から孤立させることになります。たまたま、権力を持つ組織のリーダーが、
そうなった場合は、これ以上の悲惨さはないでしょう。社員は、道具として
使い捨てられる存在にならないとも限らないからです。

 しかし、誰でも、徐々に大きな夢と希望をもつことが出来ます。まずは、
次の段階として、妻子、両親という肉親、家族の喜んでもらいたいことを
夢と希望に掲げましょう。さらに、次の段階になると、職場の仲間やお客様
のための夢と希望を持つようになりましょう。そして、ついには、社会、人類の
ための夢と希望を持つようになりましょう。

 この最後の、社会、人類のための夢と希望のことを考える時、京セラの
創業者である稲盛和夫さんがいつも、口にする「動機善なりや、私心なかりしか」
という言葉を思い出します。稲盛さんは、新しい事業に展開する場合、
「動機善なりや」ということを自らに問うのです。何かをしようとする場合、
自問自答して、自分の動機の善悪を判断するんだそうです。「動機が善であり、
方法が善であれば、必ず成功する」とおっしゃる稲盛さんに同感です。

 「動機が善であり、方法が善」であれば、なぜ、成功するのかの答えが、
「燃えるような情熱が、点から線へ、線から面へ、そして全面展開へと輪を
広げて行きます。」という言葉に込められています。

 古くは、松下幸之助さんが、戦後間もない頃に、社員に向けて220億円の
売上を5年後に4倍の800億円に拡大する目標を掲げた時も、「大衆の要望を
表した数字であり、社会に対する義務の遂行」だと社員に語った燃えるような
情熱が、社員一人ひとりの心に使命感をかきたのです。

 志をもつ一人の燃えるような情熱が、人の心に火を点けるのです。その火が、
人から人へ野火のように広がっていくのです。これが同志です。仲間です。
協力者です。組織を、社会を、世界を変える大きな「夢と希望」は、個人を越え、
みんなのものになって行くのです。

(文責:株式会社総合教育研究所 石橋正利)

★次号予告★
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次回は、『リーダーの指針(4) −天の時・地の利・人の和−』です。
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