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☆週刊☆ 経営いろは帖 Vol.230 2007/08/06 毎週月曜日発行

執筆・発行/株式会社総合教育研究所 石橋正利
http://www.sk-k.co.jp
http://www.sogokyouiku.com/ (ブログ)
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リーダーの指針(8) −試練が育む強い心−
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 ネガティブ思考がダメだといい続けることは、むしろ、ネガティブ
思考にエネルギーを注ぐ結果になるのだということ。そうではなく、
どんなポジティブ思考になりたいかに注目すること、つまり闇を消し
たければ、光を必要とする大切さが分かりました。
 最後の指針は、逆境こそがリーダーを育てることに注目した指針です。

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多くの試練がリーダーに待っていることでしょう。でも、そのことが、
強い心を育みます。最後まで自分を信じて、人生のドラマを楽しみましょう。
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 国民教育の師父と称せられた森信三先生は、人間形成の三大原理と
言われる「(1)遺伝的素質(2)師匠(3)逆境」の一つ「逆境」を、二歳に
して体験させられることになります。

 明治29年、父=端山俊太郎、母=はつの三男として生まれますが、
両親不縁により、縁もゆかりもない小作人の森家に養子に出されます
(以来森姓となる)。そのため中学に進めず、幾多の辛酸をなめる少年・
青年期を過ごします。

 しかし、向学心やみ難く、代用教員を中途で断念、広島高師、京大に
進み、学問の道へと進みます。この時期に、人生の師である西晋一郎先生
に東洋哲学を学び、西田幾多郎先生に西洋哲学を学ぶご縁をいただきます。
京大卒業後、天王寺師範学校(現大阪教育大学)の教諭として十三年も
下積みの地位に甘んじることになります。

 その後、旧満州で建国大学教授として七年間過ごされて、終戦を迎え、
辛酸をなめて帰国、その後、昭和28年、神戸大学教育学部教授に就任する
も、必ずしも順調ならず、逆境につぐ逆境の連続でした。

 しかし、この試練、逆境こそが人間を育てることを森先生の言葉をお借り
して考えてみましょう。

 「われわれ人間は、社会を”場”として行われる人間形成の厳しさに
よって、深刻な鍛錬を受けると申しました。しかし、われわれ人間は、
これら職業的な事柄以外にも、さらに家庭的な種々の出来事によって
深刻な試練を受けるのであります。それは両親に亡くなられるとか、妻や
子を失ったり、あるいは火災や盗難、地震等の天災に見舞われたり、
時には自分自身が病気になったり、私生活上の苦難の鍛錬も決して少なく
ないのであります。では、これらの試練に対して、一体どのように対処
するかというと、結局これらの試練を正しく受け止めるしかない、つまり、
それらの試練は、「天」がこの自分を鍛えるために与えられたものと
考える他ない。同時にこれ以外には、それらの苦難を根本的に生かす道は、
おそらくはあるまいと思うのです。」

 場合によっては、自らが試練、逆境の環境を作り出す生き方も素晴らしい
ですね。せめて、森信三先生を見習い、自分に与えられた試練、逆境に
逆らわず、呪わず、むしろ、人間という自分を磨く鍛錬の場として、感謝
して受け止められる素晴らしい境涯をもちたいものです。

 それと、最後まで自分を信じることの大切さです。ここで言う自分とは、
愚痴をこぼしたり、落ち込んだりする自分(自我)ではなく、「天」から
与えられた生命と役割(天命)を自覚している自分(真我)です。

 私たちは、動物と違って、未来を自らが切り開くことができる力を与え
られていますから、自分の人生ドラマの脚本を創り、演出し、主役を務め、
脇役を配置し、ハラハラドキドキしながら、楽しむことが出来るんですね。
我が人生に悔いなしって最高ですよ。

(文責:株式会社総合教育研究所 石橋正利)

★次号予告★
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次回は、『心の指針(1) −一体性−』です。
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