バックナンバーINDEXへ戻る
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆週刊☆ 経営いろは帖 Vol.233 2007/08/27 毎週月曜日発行

執筆・発行/株式会社総合教育研究所 石橋正利
http://www.sk-k.co.jp
http://www.sogokyouiku.com/ (ブログ)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このメールマガジンは、名刺交換をさせて頂いた方、ホームページより
ご登録を頂いた方などのご縁を頂いた皆様に配信させて頂きます。皆様
のお仕事においてこの情報が少しでもお役に立てれば幸いです。

============================================================
心の指針(3) −相対性−
============================================================
 お互いの相違点を超えて、存在を認め合うためには、「相対性」と
いう法則の理解が不可欠です。その理解の度合いは、自信に溢れて
いるが「傲慢」ではなく、「謙虚」であるかどうかで見極めることが
できます。

---------------------------------------------------------------
(3)相対性 
 全ての物事や現象は、立場や見方によって、正しいか、そうでないか
が変わってきます。絶対的に正しいと言えるものはありません。
---------------------------------------------------------------

 物事は見方、考え方、立場によって異なるという考え方が「相対性」の
法則です。例えば、身近かな例として考えてみますと、コップを真横から
見れば長方形であり、上や下から見ると円形となります。

 別の例で考えてみると、お客様の立場では、「安く買いたい」と思い、
営業マンの立場からは「高く売りたい」と思います。利害が異なるわけです。
つまり、一面から見ただけでは物事の真実の姿は掴めないということです。
視野を広くし、物事を観察するように常に心がけることが大切です。

 哲学者カール・ポパーが提唱した考え方で、「相対性」と合い通じる
可謬主義という考え方があります。私たちは、物事を認識するときに、
自分の経験や知識などの限られたデータベースに基づいて認識するしか
ありません。従って、人は誰でも物事を認識する時に、間違いを起こし
うる存在だということになります。「世の中に、絶対に正しい法則、理論、
知識というのはありえない」という考え方でもあります。可謬主義とは、
そのことを前提とした発想をしようということです。このコラムで書いて
いる法則も、絶対的に正しいとは言えないということです。そういう考え
方もあるのか、と読んでいただければいい訳です。

 可謬主義の反対の立場をとると、「自分は正しい、間違っていない」と
思い込み、「人の意見に耳を閉ざす」ことになってしまいます。自信が
昂じて「過信」つまり「慢心・傲慢」になっている状態です。できるなら、
「今までの自分の考え方は間違っているのではないか。違う考え方、見方も
あるのではないか」という、謙虚さが求められます。

 そして、立場によって、正しいか、そうでないかの判断も変わってきます。
立場というのは、なかなかその「立場」になってみないと本当には理解し
きれないということがよくあります。

 特に、「立場の違い」は、

 ◎利害が異なる
 ◎価値観が異なる
 ◎視点や視野の拡がりが異なる等

 衝突しやすい要素を際立たせることになります。衝突を回避し、相互の
立場の理解を推進する鍵は、相手の主張がどんなに理不尽に聞こえても、
「なぜ、相手は、そのように主張するのか」その背景や要因を探りだす
ことです。それなくしては「相手の立場に立つ」ことは、掛け声に終わって
しまうことになります。

(文責:株式会社総合教育研究所 石橋正利)

★次号予告★
----------------------------------------------------------------
次回は、『心の指針(4) −因果性−』です。
----------------------------------------------------------------
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆週刊☆ 経営いろは帖 << 株式会社総合教育研究所 代表:石橋正利 >>
----------------------------------------------------------------------
■ご意見・ご感想は → ishi@sk-k.co.jp
■バックナンバーは → http://www.sk-k.co.jp/iroha/back_number.html
■メール登録解除は → http://www.sk-k.co.jp/iroha/index.html
----------------------------------------------------------------------
※当メールマガジンに掲載された記事を、許可なく転載することを禁じます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
バックナンバーINDEXへ戻る