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☆週刊☆ 経営いろは帖 Vol.240 2007/10/15 毎週月曜日発行

執筆・発行/株式会社総合教育研究所 石橋正利
http://www.sk-k.co.jp
http://www.sogokyouiku.com/ (ブログ)
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このメールマガジンは、名刺交換をさせて頂いた方、ホームページより
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のお仕事においてこの情報が少しでもお役に立てれば幸いです。

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組織を変えるリーダーシップ(2)
          −「ダイアローグ(意見交換)」への挑戦−
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 経営品質向上活動などの経営革新や組織改革において、まず職場
でのコミュニケーションを改善することがスタートに当たり、手を
打っておかなければならない大切なことです。特に、ビジョンの共有、
課題達成、問題解決などのためのコミュニケーションのあり方が、
組織活動の成果に大きな差となって現れてきます。今回は、コンセンサス
(全員の合意)による集団決定をするコミュニケーション方法である
ダイアローグ(意見交換)を取り上げることにしましょう。

●ルールは簡単です。

(1) 全員の意見を判断する材料として出し合います。この時大切な
のは、相手の意見を理解しようとする姿勢です。真っ向から反対の
意見であろうと、理解する姿勢が必要なのです。

(2) 充分、納得できるまで話し合って下さい。自分の意見を変える
場合は、話し合って行く内に、納得できる他の意見が出てきた場合に、
その理由を言って変えてください。また、結論を急ぐあまり、あるいは
葛藤を避けるために、安易に、妥協したり、迎合したりしないでください。

(3) コンセンサス(全員の合意)による集団決定は、グループの各
メンバーが合意して、はじめてグループの決定となります。コンセンサス
(全員の合意)はむろん容易ではありません。しかし、少しでも、ある
程度の合意を示し得る決定を作り上げるように努力してください。

(4) 自分の判断に固執し、他に勝つための論争は避けて下さい。

(5) 最終決定をするのに、多数決とか、上司への遠慮といったような
「葛藤をなくす方法」は避けてください。

(6) 少数意見は、集団決定の妨げとみなすより、考え方の幅を広げて
くれるものとして尊重してください。

(7) 論理的に考えることは大切ですが、それぞれのメンバーの感情や
グループの動きにも、充分配慮してください。

●コンセンサス(合意の形成)のメリット

 一番、正解率が高いのは、情報を交換し合って納得するまで話し合った
結果出された答えの場合です。つまり、私たちが仕事をうまくするため
には、どうも合意を得る、合意を形成していく方法が一番いいようなの
です。説得するという考え方では、相手は「される」ということになり
ますから、無理強いのニュアンスが出てきます。

● コンセンサス(合意の形成)の障害は先入観や固定観念

 企業内でコンセンサス(合意の形成)を行う場合に問題になるのが、
「あいつは、いいかげんなやつだ」とか、「あいつは能力がない」という
先入観や固定観念です。このためにコミュニケーションが活発に起こら
ないということが多いのですが、それは、やはり相手の人も「ばかにされ
ている」と思えば発言しにくくなるからです。

 職場の会議で、よく見られるエゴが生み出す対立の場面を思い出して
みよう。そのパラダイムは、次の方程式であらわすことができます。

  自分の意見+エゴ=自分の立場の主張  
 
 意見はありませんか? という問いかけに、各人が自分の意見を述べる
ところまでは、意見そのものの良し、悪しがテーマになっているのだが、
いつの間にか、「○○さんの意見はおかしい。間違っている」「私の意見
が正しい」という思いがわいてきてしまう。興奮してくると、その思い
を言葉にさえ出してしまう。この現象が、意見にエゴがくっついた状態
です。自分という存在を強め、守ろうとするために、相手の存在を否定
したくなってしまう気持ちが出てきてしまうのです。
 
●コンセンサスは「違うこと、異なること」が前提

 コンセンサスというのは、じつは意見の違い、考え方の違いを尊重
するということです。意見の違いや考え方の違いがあるからこそ、認識
する視点が広がるのです。もし、最初から「それはきっとこうだ」
「そうだよな、俺もきっとこうだ」というと、全員賛成と言うことで
終わってしまうのですが、「ちょっと待ってください、判断するには
ちょっと情報が不十分過ぎませんか」という問題提起があるから、
「そういえばそうだね、話し合ってみようか」ということになるのです。
ですから、葛藤、意見の対立、これを前面に出すということが重要で、
対立がなければコンセンサスはできません。

(文責:株式会社総合教育研究所 石橋正利)

★次号予告★
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次回は、『組織を変えるリーダーシップ(3)
        −「自己開示とフィードバック」への挑戦−』です。
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