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☆週刊☆ 経営いろは帖 Vol.241 2007/10/22 毎週月曜日発行

執筆・発行/株式会社総合教育研究所 石橋正利
http://www.sk-k.co.jp
http://www.sogokyouiku.com/ (ブログ)
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このメールマガジンは、名刺交換をさせて頂いた方、ホームページより
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のお仕事においてこの情報が少しでもお役に立てれば幸いです。

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組織を変えるリーダーシップ(3)
       −「自己開示とフィードバック」への挑戦−
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 「ジョハリの窓」を聞いたことがあると思います。心模様を4つの
窓で表現したものです。

(1) 開放エリア・・自分が気づいていて、他人にも気づかれている自分
  例:「とても恥ずかしがりや」な自分の性格を周囲も知っている。

(2) 隠蔽エリア・・自分が気づいていて、他人には気づかれていない自分
  例:「仕事がうまく行かなくて悩んでいる」ことを周囲は知らない。

(3) 盲点エリア・・自分は気づいていないが、他人が気づいている自分
  例:「部下の話を聞いているつもり」だが、部下は「話を聞いて
    もらえない」と感じている。

(4) 未知エリア・・自分も気づいていないし、他人も気づいていない自分
  例:「今の職業の適性」があるかどうか、自分も周囲も分からない。

 リーダーシップを発揮する上で、とても大切なコミュニケーションの
一つが、「(2)隠蔽エリア」を出来るだけなくしていく「自己開示」です。
自己開示とは、自分自身のありのままの姿を相手に正しく伝えること、
つまり、隠したくなる「自分の弱さも含めてさらけ出す」ことを言います。

 NHKの番組「プロフェッショナル・仕事の流儀」に登場したベンチャー
企業経営者の秋山咲恵さんは、5年前、社員との関係がこじれ、会社
を辞めたいとまで思い詰めたことがあったそうです。当時、売り上げが
急激に伸び、ここが勝負と社員にハッパをかけたところ、社員たちに
疲弊の色が濃くなり、秋山の指示に対して、「そんなのやれるわけないだろう」
と不信感を持たれたのが原因です。何とか社員とじっくり話そうと、合宿
を開いた時に、秋山さんが創業期に製品が売れず、夫と夫婦喧嘩して手を
骨折してしまった苦労話など、本当の自分をさらけ出すうちに、社員の側
から、今までのわだかまりを話してくれるようになったそうです。やっと、
本音で話し合える関係が出来始めたわけです。お互いが自己開示することで、
素早く問題を解決し、課題を達成しうるチームへ成長できるところが
素晴らしいですね。

 ただ、本当の自分をさらけ出すというのは、少々勇気がいるんですね。
周囲からバカにされるんじゃないかと心配する方は少なくありません。
でも、大丈夫です。むしろ、周囲は共感回路を開いてくれるので、好感度
が上がるんですね。不思議です。

 もう一つの大切なコミュニケーションが、「(3)盲点エリア」を無く
していくために「周囲からのフィードバック」を受けることです。

 フィードバックとは、別の言い方をすれば、お互いに相手にとっての
「鏡」になるということです。鏡になるとは、自分という鏡に映った相手
の様子(自分に見えた相手の姿、動作や言動が自分に与えた影響など)を、
そのまま相手に返してあげることです。決して、"悪い"とか"こうした方
がいい"というように批判することではありません。

 一つ例をあげてみましょう。「○○さんは、私と話しているときに、
目をそらすことが多かったけど、興味がないのかなと思って、少し
かなしい気持ちになりました」と告げるのがフィードバックです。
この言い方は、自分に見えた事実と、そのことが自分に与えた影響を
そのまま具体的に述べただけで、目をそらしたことがよかったとも
悪かったとも言っていません。また「かなしい気持ちになった」と、
相手の態度により受けた影響をそのまま相手に告げているだけで、「目を
そらすことは悪いことだよ」と相手を非難しているわけでもありません。
 
 では、フィードバックの留意点をいくつか挙げてみます。

 ●相手の成長を願ってフィードバックしましょう。
 ●相手を非難したり、攻撃したりするものではありません。
 ●できるだけ具体的にフィードバックしましょう。
 ●相手が受け容れやすいように工夫しましょう。
 ●できるだけ早い時期にフィードバックしましょう。

(文責:株式会社総合教育研究所 石橋正利)

★次号予告★
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次回は、『組織を変えるリーダーシップ(4)
              −アクションラーニング−』です。
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