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☆週刊☆ 経営いろは帖 Vol.243 2007/11/05 毎週月曜日発行

執筆・発行/株式会社総合教育研究所 石橋正利
http://www.sk-k.co.jp
http://www.sogokyouiku.com/ (ブログ)
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ご登録を頂いた方などのご縁を頂いた皆様に配信させて頂きます。皆様
のお仕事においてこの情報が少しでもお役に立てれば幸いです。

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組織を変えるリーダーシップ(5) −モチベーションを高める−
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 皆さんもご存知のように、モチベーション論で基本的な考え方が、
心理学者アブラハム・マズローの欲求五段階説です。まず、リーダー
として。この考え方を使って職場で、部下のモチベーションを高める
方法を考えてみましょう。

●生理的欲求⇒とりあえず食べるために、どんな職でもいいから就きたい

 そのための支援行動として、まず、仕事を確保してやり、ちょっとでも
給料がもらえるようにしてあげること。

●安全・安定的欲求⇒身の安全が確保できて、安定的な生活がしたい

 そのための支援行動として、黒字経営を維持すること・正社員としての
雇用形態を守ること・セクハラやパワハラなどがない安心できる職場環境を
提供すること。

 この二つの欲求は、大半がお金で手に入ります。リーダーは、ぜひ、
メンバーが成果を出せるように指導することで、能力を高め、多くの
賞与や高い昇給が実現するように応援する責任があります。あのリーダー
と一緒に仕事をすれば、「成長できる」「成果が出る」と言われるよう
になりたいものです。
 
 しかし、お金だけでは、喜びにあふれた人生にはなりません。人間
関係の有りようで、仕事の喜び、やりがいが全く違ったものになります。
次の二つの欲求は、メンバーが周囲から得られる外的モチベーションとして、
特に重要です。これらの外的モチベーションを得られる職場作りがリーダー
の仕事になります。

●社会的・帰属的欲求⇒会社の一員としての実感があり、職場の上司や
仲間から信頼されたい

 そのための支援行動として、こちらから声を掛け関心を示すこと・お誕生会
を開催すること・内勤だとしても名刺を作ること・できるだけ相手のことを
理解すること・関心をもって傾聴すること。

●自尊・自我・承認的欲求⇒周囲から尊敬され、認められ、賞賛されたい・
自信をもちたい

 そのための支援行動として、仕事のプロセスや成果を認めること・この仕事
ができるのは君以外にいない等、期待感を伝えること。
 
 さて、今までの四つの欲求は、すべて、周囲から何かを与えられて欲求を
満たすことになりますが、最後の自己実現欲求だけは、内発的モチベーション
と呼ばれ、本人の内側から沸きあがってくる動機でしか満たすことができません。
ですから、リーダーは、本人が自己実現欲求を満たせる動機を内側に見つける
ことができるようコーチしてあげてほしいのです。動機が見つかれば、枯れる
ことのない「やる気の源泉」となるからです。

●自己実現欲求⇒自分の個性・能力をフルに発揮して、創造的活動や自己成長を
図りたい・自分の使命を果たしたい・周囲から必要とされたい

 そのための支援行動として、成長を喜ぶ・人生の夢や目的をもたせる・周囲の
人はすべてお客様と考えて取り組むことで感謝されるようにすること。

 さて、自己実現の欲求を満たすために、もう一人、ロバート・フリッツが説いた
と言われる「自己実現への3段階プロセス」をご紹介しましょう。

 自己実現とは何か? 改めて整理してみると「自己実現とは、人生を、自己の
使命を果たそうとするような、創造的な仕事として受け止め、そのために必要な
能力や経験、知識を継続的に高めようとする取り組み」と考えることができます。

 そうすると、次のような自己実現への3段階プロセスが見えてきます。

(1) 自分にとって大切な価値観、どうありたいか、何を成し遂げたいかといった
個人ビジョンを明確にすること。

(2) それに対して、現状はどうかを明確にすること

(3) そうすると、個人ビジョンと現状との間にギャップが生じます。このギャップ
が「創造的やる気」を生み出すことになります。

 とくに、大事なプロセスが最初の「個人ビジョン」を明確にすることです。ここ
には、強い、熱い想いが必要です。時間をかけても、じっくり醸成する環境をリーダー
がつくってください。


(文責:株式会社総合教育研究所 石橋正利)

★次号予告★
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次回は、『組織を変えるリーダーシップ(6)』です。
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