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☆週刊☆ 経営いろは帖 Vol.247 2007/12/03 毎週月曜日発行

執筆・発行/株式会社総合教育研究所 石橋正利
http://www.sk-k.co.jp
http://www.sogokyouiku.com/ (ブログ)
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活きるヒント(1) −信念について−
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 人生の宝は、師であり友であることを、やっと感じ始めた今日この頃
です。今号から、しばらく、奈良毅先生を初めとして、今まで、師や友から
学ばせていただいた『活きるヒント』をテーマに取上げさせていただく
ことにしました。

 最初のテーマは「信念について」です。

 皆さんは、芥川龍之介の小説にある「蝋蜘の糸」というお話を読んだか、
聞かれたことがあると思います。生前、散々悪いことをしたカンダタと
いう一人の極悪人が、死後、地獄で苦しんでいたわけですが、生前一度
だけ慈悲を施したことをお釈迦様は覚えておられたんですね。カンダタを
地獄から救ってやろうと蓮の花に巣を張っていた蜘蛛の糸を一本とって
地獄へ降ろされました。目の前におりてきた一本の糸を見たカンダタは、
その糸の遥か先にある天国を目指し、どんどん糸を登り始めます。ところが、
自分の後ろからたくさんの人が登って来るではありませんか。これでは
糸がきれてしまう、と思ったカンダタは大声をあげ、「お前達は登って
来ては駄目だ!」と叫びました。その途端に糸は切れて、カンダタは元の
地獄に落ちてしまうというお話です。

 さて皆さん、カンダタが大声を上げた時、なぜ、それまで切れなかった
蜘蛛の糸は切れてしまったのでしょうか? 「カンダタが自分さえ助かれば
よいと思う利己心を持ったから、切れたのだ」と子供のころ教えられた
記憶があります。罰が当たったのでしょうか?

 どうも、そうではなく、カンダタの信念が引き起こした結果ではないで
しょうか。最初、カンダタは、細い蜘蛛の糸でも、「この糸を登れば天国
に行ける』と信じたから登り始めたたわけです。ところが多くの人がぶら
さがったことで、切れてしまうのではないかという不安な気持ちが生まれ、
「お前達は登って来ては駄目だ!」と叫んでしまった。大丈夫という信念
がゆらいだために、糸も切れてしまったんですね。

 もちろん現実の世界では、物理的法則が働きますから、人間の体重を
一本の蜘蛛の糸が支えきれるものではありませんが、私たちの想念、信念が
蒔いた種は、時間はかかりますが、いつか実を付けることになります。

 『信念』で思い出すのが、『人間は自分が考えた通りの人間になる』と
いう言葉です。この言葉を知ったのは、独立するちょっと前の二十数年前
に受けた研修でした。そうか、それならば、『どんな自分になりたいか』
を考えればいいんだと気付いたわけです。今で言うビジョン作りです。
今の自分の姿を見てみるならば、多くのことは、当時描いたようになって
いることに驚かざるを得ません。

 もちろん、個人のビジョンだけではなく、国家プロジェクトのレベルでも
同じ事が言えます。1961年5月にアメリカ連邦議会でケネディ大統領が演説
した「アポロ計画」に関するビジョンは、今でも語り継がれています。
ケネディ大統領は、「私は、今後10年以内に人間を月に着陸させ、安全に
地球に帰還させるという目標の達成に我が国の国民が取り組むべきであると
考えている。」とビジョンを全国民に示し、実現したのです。

 「空を飛びたい」「月に行ってみたい」と言う私たち先祖の想いは、今日
実現されています。どうも、私たち人間には、強く想い、望み、又信じた
ことを実現する力が大自然から与えられているようです。こんなすごいこと
はありません。どう、この力を使うかですね。

(文責:株式会社総合教育研究所 石橋正利)

★次号予告★
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次回は、『活きるヒント(2) −祈りと願い−』です。
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