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☆週刊☆ 経営いろは帖 Vol.248 2007/12/10 毎週月曜日発行

執筆・発行/株式会社総合教育研究所 石橋正利
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http://www.sogokyouiku.com/ (ブログ)
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活きるヒント(2) −祈りと願い−
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 神社に行くと、「合格を祈願する」絵馬を見かけます。三省堂提供
「大辞林 第二版」によると、祈願とは「ある事が成就するよう神仏に
祈り願うこと」とあります。今号では、『祈願』について、取上げる
ことにします。

 受験の時には、合格を祈願し、日々の仕事上では、売上げ目標や開発、
生産目標が達成できますようにと、特に信仰心が無かろうと、お正月の
初詣で手を合わせる私たちがいます。代表的なお願い事として、「家内
安全・商売繁盛・健康長寿」のお札をもらって、神棚に置いたりもします。

 この『祈願』を『祈り』と『願い』とに分けて、その違いを考えて
見ましょう。

 まず、『願い』をYahooで検索してみると、約266,000,000件出てきます。
『祈り』で検索してみると、約163,000,000件出てきます。『祈り』の方
が半分までは行きませんが、4割弱少ないことになります。普段の生活でも、「ちょっとお願いがあるのですが」とはよく使うせりふですが、「ちょっと
お祈りがあるのですが」とは言いませんね。ビジネスマンにとって「願望
実現の方法」に興味がある人は、本もたくさん出ていますし、圧倒的に
多いでしょうが、「祈り実現の方法」と聞いてもピンと来ない。

 そこで、最初に。日本人の私たちが、生活の中で普段あまり使わない
『祈り』について、その意味合いを探索することにしましょう。

 『祈り』とは!

 百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、「神ないし神格化
されたものとの意思の疎通を図ろうとすること、あるいは神に何かを願う
ことである」とあります。「神」というと違和感のある方もいらっしゃる
でしょうから、遺伝子研究で日本学士院賞受賞を受けられている筑波大学
名誉教授の村上和雄さんが使われている「Something Great」という言葉
を使いましょうか。村上さんは、「Something Great」について、次の
ように語られています。

 「ヒトの遺伝情報を読んでいて、不思議な気持ちにさせられることが
少なくありません。これだけ精巧な生命の設計図を、いったいだれがどの
ようにして書いたのか。もし何の目的もなく自然にできあがったのだと
したら、これだけ意味のある情報にはなりえない。まさに奇跡というしか
なく、人間業をはるかに超えている。そうなるとどうしても人間を超えた
存在を想定しないわけにはいかない。そういう存在を私は『偉大なる
何者か(存在)』という意味でサムシング・グレートと呼んできました。」

 それでは、『祈り』の事例として、マザーテレサの「神の愛の宣教者会」
の働きを支えた言葉といわれている「聖フランチェスコの平和の祈り」 を
ご紹介します。

「 わたしを平和の道具としてお使い下さい

  憎しみには愛を いさかいには許しを

  争いには平和を 分裂には一致を

  疑いのあるところに信仰を

  誤りのあるところに真理を

  絶望に希望を 闇に光りを

  悲しみのあるところによろこびをもたらすものに導いてください

  慰められるより慰めることを

  理解されるより理解することを

  愛されるより愛することができますように

  与えることで与えられ 赦すことによって赦され、

  死ぬことによって、永遠の命が生まれるのですから 」

 この『祈り』は、「いつも、偉大なる存在を感じ、意思の疎通を図ろう
とし、その御心に沿う生き方ができますようにという、自分が生かされ
ている役割を果たさんとする」魂の願いでしょうか。生命を与えられ、
生かされている一人の人間として、心の奥から湧き上がってくるエネルギー
を感じます。そして、『祈り』には、偉大なる存在への「ありがとう
ございます」という感謝がベースになくてはならないと思わざるを得ません。

 次に『願い』とは!

 こうなってほしいと思う物事を偉大なる存在に依頼するということで
しょう。最初に取上げた「希望校・資格試験合格」「家内安全・商売繁盛
・健康長寿」などが該当します。この『願い』は、3段階に分けて考える
事ができます。

 一番低い段階の『願い』は、自分本位の願いごとになります。誰もが
持っている煩悩です。この煩悩に支配されないようにしたいものです。
自分さえよければ、周囲の人が苦しんでも、かまわないというとんでも
ないことも起きる危険性がある段階です。

 二番目の段階の『願い』は、自分だけではなく、家族や友人のため、
あるいはお客様のために役に立ちたい、喜んでもらいたいという願いです。
使命感を感じながら仕事に取り組む経営品質向上活動は、この段階と言えます。

 三番目の最高の段階の『願い』は、特定の事柄を願うのではなく、すべて
偉大なる存在に委せして、全く無条件で、自分の使命を果たせるように
お願いすることです。「よろしくお願いします」と全託する姿勢でしょうか。
この段階では、『祈り』と『願い』が一つに繋がると言ってもよいでしょう。

(文責:株式会社総合教育研究所 石橋正利)

★次号予告★
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次回は、『活きるヒント(3) −目的と手段−』です。
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