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☆週刊☆ 経営いろは帖 Vol.249 2007/12/17 毎週月曜日発行

執筆・発行/株式会社総合教育研究所 石橋正利
http://www.sk-k.co.jp
http://www.sogokyouiku.com/ (ブログ)
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ご登録を頂いた方などのご縁を頂いた皆様に配信させて頂きます。皆様
のお仕事においてこの情報が少しでもお役に立てれば幸いです。

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活きるヒント(3) −目的と手段−
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 経営品質向上活動で、最初に、考えていただくことが「組織の
理想的な姿」です。これが『目的』に当たります。日々の事業活動、
業務活動は、「組織の理想的な姿」という『目的』を実現するため
の『手段』になります。

 ところが、現実には、売上げや利益を上げる事が目的になってしまい、
「お客様から必要とされ喜ばれたい」という「組織の理想的な姿」は
忘れがちです。今号では、『目的と手段』について、取り上げること
にします。

 まず、『目的と手段』の関係を考えてみましょう。

 「目的なき手段は単なる思い付き」、「手段なき目的は空想」と申し
ますが、この言葉にあてはまるようなケースを考えてみましょう。

●「目的なき手段のケース」

 佐藤社長のお店は、洋品店です。地元では、老舗で売り上げもよかった
のですが、最近、大型スーパーが進出してきたために、急激な売り上げ
ダウンになってしまいました。幸い、いままでの貯えを使って、店を
きれいにしたり、バーゲンをしたり、コンピュータを入れてダイレクト
メールを出しましたが、ほとんど効果がありませんでした。佐藤社長
にどんなお店をつくりたいのか聞いてみましたら、「儲るお店」と
いう答えでした。

 このケースは、思い付きで販促策を打っています。何に投資するのか、
どんな効果を狙っている販促策なのか、全く見えていません。無駄な
投資になっています。なぜ、お客様が来てくれなくなったのか、どんな
お客様のどのニーズに対して独自のポジションを作りたいのか、分かり
ません。

 ―目的に合わない手段は、無意味です―

●「手段なき目的のケース」

 神田社長は、二代目の若社長です。会議が好きで、週に1回は開いて
います。でも、会議のほとんどの時間は、社長の独演会で終わってしまい
ます。「今のままでは利益が出ない」「危機感がない、危機感を持て」
「利益の出る会社にしよう」「お客様に満足してもらうことが大切だ」
社員は、社長の話を黙って聞いているだけです。そして、業績がちょっと
も上がりません、むしろ、最近落ちてきました。ますます、会議がふえ
そうです。社長は、知人に「俺があれだけ話をしているのに、社員は
ちっとも分かっていない。何を考えているのか、サッパリ分からん」と
グチをこぼしています。

 このケースは、目的意識はあるのですが、具体的な手段が決まらない
会議のため、何も行動に移せない典型的な例です。

 ―手段なき目的は、白昼夢であり、犬の遠吠えです―

 日常生活の中で、『目的と手段』を使い分けることができたら、どんな
に楽しいでしょう。途中で挫折することもなくなり、ムダな失敗をしなくて
すむことになります。ここで、『目的と手段』の特徴を整理してみましょう。

《目的》
(1) 短期・中期・長期で考える
(2) 中心骨組・根幹・本質
(3) 譲らない・原理原則・決心・覚悟・不退転
(4) ロマン・夢・志
(5) 妨害されにくい
(6) 簡単明瞭
(7) 自分・主体との闘い
(8) 着眼大局
(9) 二者択一

《手段》
(1) 千術あり
(2) 枝葉末節・現象
(3) 譲ってよい・臨機応変・変幻自在
(4) 現実・計算・行動
(5) 妨害されやすい
(6) 詳細説明を要する
(7) 他者・条件との闘い
(8) 着手小局
(9) 多肢選択

(文責:株式会社総合教育研究所 石橋正利)

★次号予告★
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次回は、『活きるヒント(4) −理想と現実−』です。
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