バックナンバーINDEXへ戻る
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆週刊☆ 経営いろは帖 Vol.256 2008/02/04 毎週月曜日発行

執筆・発行/株式会社総合教育研究所 石橋正利
http://www.sk-k.co.jp
http://www.sogokyouiku.com/ (ブログ)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このメールマガジンは、名刺交換をさせて頂いた方、ホームページより
ご登録を頂いた方などのご縁を頂いた皆様に配信させて頂きます。皆様
のお仕事においてこの情報が少しでもお役に立てれば幸いです。

============================================================
組織を革新するリーダーの条件(2) −夢と希望−
[アセッサージャーナル第12号『寄稿』]
============================================================
 変革者としての生き方に目覚めた私達が、次に大切にしたい指針です。

-----------------------------------------------------------------
 まず、夢と希望を持ちましょう。行動を伴う夢と希望は世界を変える
ことが出来ます。どんなにささやかな資源もフルに活かして、必要な資源
を生み出す一歩一歩こそが、リーダーの喜びです。
-----------------------------------------------------------------

●行動を伴う夢と希望

 「行動を伴う夢と希望は世界を変えることが出来る」という言葉は、私の
好きな言葉です。この言葉は、1990年に釈放されるまで、実に27年にも及ぶ
虜囚の日々を送った後、ついに非暴力不服従運動により、白人支配による
人種隔離政策を廃し、全人種が参加する選挙により選ばれた南アフリカ
共和国のマンデラ前大統領の言葉だと言われています。

 そして、そのマンデラ前大統領の非暴力不服従運動に影響を与えた、もう
一人の人物、キング牧師も忘れることはできません。「私には夢がある」と
力強く語り続け、人種差別撤廃を求める公民権運動の指導者であったキング
牧師の、夢と希望を失わなかった行動にリーダーとしての在りようを感じます。
不可能としか思えないような絶望的な状況下でも、明るい未来を実現する力
を私たち人間はもっているんですね。私達日本人も、名も無い一人ひとりの
庶民が、戦後の焼け野原から奇跡の復興をなしとげたことを考えると、「行動
を伴う夢と希望が世界を変えることが出来る」ことを実証して来たともいえ
ましょう。

 初代日本経営品質賞審査委員会委員長を務められた慶應義塾大学教授の嶋口
充輝氏が『柔らかい企業戦略』という本の中で、これからの日本企業の経営に
必要なキーワード「アンビション(大志)」の事例として、キング牧師のビジョン
「私には夢がある」を取り上げておられることに、嬉しさを感じます。

●夢と希望をもつ方法

 では、夢と希望をもつには、どうしたらよいでしょうか。人間は誰でも夢と
希望がもてる力を天から与えられていながら、意外と夢をもっていない人が
少なくないですね。その足かせを取り除きましょう。

 最初の一歩は、「こうなったらいいな」と思いながら、本気で夢と希望を
持とうとしない自分とおさらばしようということです。「出来ない、無理だと
思う理由」を探さないということです。研修などで素晴らしいモデルとなる
人物や会社を紹介すると、必ずと言っていいほど、キャリアが違う、業種が
違う、人材がいない、資金が無い、経営者の理解が無いといった「できない、
無理だと思う理由」を上げて最初から、諦める人が出てきます。しかし、
こんなことに頭を使って、いくら考えても一文の得もありません。そんなこと
を考える暇があったら、夢の実現に向けて行動することです。行動するんです。

 この行動したくなる気持ちを強くするコツが、こうなりたいというイメージ
を明確にもつことです。今日から始めてください。洗面台の鏡に、望んでいた
夢が実現出来たことを喜んでいる自分をイメージしてください。「○○ができた。
ついにやった。素晴らしい。みんなが期待しているって言ってるよ」とハッキリ
大きな声で、本気になって喜んであげてください。その後軽く眼を閉じながら、
うまく行った場面や成長した自分の姿をイメージしながら、成長感や達成感、
そして、よくやったという自分への賞賛を味わってください。飛び上がらん
ばかりに。

 続けているうちに、いつのまにか、「ひたすら、どうすれば夢と希望が実現
出来るかと考えて行動する」自分の姿に気づくことでしょう。本気になれるから、
「どんなにささやかな資源もフルに活かして、必要な資源を生み出す」一歩が
踏み出せる訳です。 

●松下幸之助の成功した理由

 松下幸之助は成功した理由を、「私が成功できたのは、学歴がなかったこと、
体が弱かったこと、お金がなかったこと」だとよく答えておられたそうです。
このことからも分かるように、お金や経験や協力者や能力や資格などの資源が
不足していることが、出来ない理由ではないんです。できない理由を探して
しまう習慣が、出来なくなる理由なんですね。

●自分に今与えられている条件でスタートすればよい

 夢の実現は考え方一つです。「どんなにささやかな資源(能力・経験・資金
など)もフルに活かして、夢の実現に必要な資源を生み出す」だけです。無い
資源を嘆く必要はありません。新たな資源を創るプロセスがあるだけです。

 具体的なケースを考えて見ましょう。例えば、少ない資金でも、それを元に
夢を実現するために必要な資金を作って行くことであったり、少ない経験や
低い能力でも、それを元に豊かな経験や高い能力を磨いていくこと等が考え
られます。どんなにささやかな資源でも、それらをどう使うか知恵の活かし方
が大切な訳です。

 私が研修講師として今の仕事を始めたときには、経験はほとんど無かった訳
ですが、そのことを出来ない理由にはしませんでした。むしろ「五体満足、
日本語がしゃべれる・書ける、営業としての折衝経験あり、ちょっぴり蓄えあり、
協力者3名あり、モチベーション系研修受講体験あり、更に志あり」という自分
の持っている資源に焦点を当ててスタートしました。後は行動するだけなのです。

 世の中に、出来ない理由はありません。出来ない理由を探している自分がいる
だけです。出来ない理由を探すのではなく、出来る為の理由を探すということが、
私たちに必要な考え方ではないでしょうか。

(文責:株式会社総合教育研究所 石橋正利)

★次号予告★
----------------------------------------------------------------
次回は、『組織を革新するリーダーの条件(3)
              −仲間や協力者を作ること−』です。
----------------------------------------------------------------

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆週刊☆ 経営いろは帖 << 株式会社総合教育研究所 代表:石橋正利 >>
----------------------------------------------------------------------
■ご意見・ご感想は → ishi@sk-k.co.jp
■バックナンバーは → http://www.sk-k.co.jp/iroha/back_number.html
■メール登録解除は → http://www.sk-k.co.jp/iroha/index.html
----------------------------------------------------------------------
※当メールマガジンに掲載された記事を、許可なく転載することを禁じます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
バックナンバーINDEXへ戻る