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☆週刊☆ 経営いろは帖 Vol.271 2008/05/19 毎週月曜日発行

執筆・発行/株式会社総合教育研究所 石橋正利
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http://www.sogokyouiku.com/ (ブログ)
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偶然の幸運をつかむ能力(セレンディピティ)再考
          −考えて、考えて、考え続けて人と会う−
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 松下幸之助さんが、松下政経塾を作ったとき、塾生の採用基準として
第一に掲げられたのが、「運の強い人」だったそうです。宝くじは
当たらないかも知れませんが、「運が強い人」とは、「人との出会い」
なのだと最近、特に感じます。

 柳生家の家訓を思い出すのです。
「小才は縁に逢って縁に気づかず。
 中才は縁に逢って縁を活かさず。
 大才は袖触れ合う他生の縁もこれを活かす。」

 NHKのプロフェッショナルの番組で初めて知った“偶然の幸運を
つかむ能力(セレンディピティ)”のことを再考してみましょう。

 番組で、セレンディピティのケースとして取り上げられたのが、英語講師
竹岡広信さん(「ドラゴン桜」のモデル)です。

 竹岡さんは、京大工学部に入学した頃は、エンジニアを目指していた
そうです。ところが、実家の塾で、アルバイトで英語を教えないかと誘われ、
塾の講師をすることになります。まずは、3000の英単語の丸暗記など、
自分の受験勉強の方法をそのまま生徒に教えたそうですが、なんと男子全員
不合格という結果に終わります。失敗したまま終われないと、文学部に編入し
直し、英語の勉強をしながら、塾講師の仕事に没頭します。

 しかし、生徒の成績は一向に上がらないまま、ついには、大学も留年を
繰り返し、休学状態に陥ります。自暴自棄になって、酒やパチンコに入り
浸る毎日、それでも、“英語のことが頭から離れなかった”そうです。

 ここが、“考えて、考えて、考え続けて人と会う”という偶然の幸運を
つかむ能力(セレンディピティ)に必要な条件が形成されて行くことに
なります。

 竹岡さんは、そんな状況の中で、毎日のように通った居酒屋で、人生の
どん底を味わいながらも懸命に生きる男たちと出会うことになります。
彼らと話すうちに、英文も、彼らと同じように何かを伝えようとしている
言葉だと気づきます。英文に書かれていることは人間の生きざま、そのもの
なのだと気づくわけです。

 そして、もう一つ、パチンコ店では、競馬好きの常連客から、「好きに
なれば身に付くんだ」ということを実感させられます。

 この二つの気付きから、竹岡さんは、英語の教え方を一変させることに
なります。受験テクニックでなく、人生のドラマとして、言葉としての
面白さを教えるようになります。偶然のように見える“袖触れ合う他生の縁も
これを活かす”出会いが、壁を乗り越える思わぬヒントになったわけです。

 私がやってこられたのも、正に“袖触れ合う他生の縁もこれを活かす”こと
以外に思い当たりません。使命感、志に代表される“考えて、考えて、考え
続けたい”事柄を持っている状態こそが、“偶然の幸運をつかむ能力(セレンディピティ)”
を発揮していると言えるのではないでしょうか。

“セレンディピティ”いい言葉ですね。

(文責:株式会社総合教育研究所 石橋正利)

★次号予告★
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次回は『ありがとうございますが意味する言霊 −大和言葉−』です。
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