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☆週刊☆ 経営いろは帖 Vol.276 2008/06/23 毎週月曜日発行

執筆・発行/株式会社総合教育研究所 石橋正利
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人生の上で何を大切にするか −西郷隆盛の生き方−
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 年に何度かお会いする機会を楽しみにしているお一人が、作家の
神渡良平先生です。最新刊が『西郷隆盛人間学』です。ぜひ、ご一読を
お勧めします。今号では、『西郷隆盛人間学』の中から、西郷隆盛の思想
と生き方の一端を通して、日本人としての理想を考えてみたいと思います。

 西郷さんは、遠島三回に及ぶ悲哀をなめているが、帰還できる希望の
ない境遇で詠んだ次の和歌に日本人としての魂がゆすぶられます。

 『上衣(うわぎぬ)はさもあらばあれ敷島の大和錦を心にぞ着る』

 これは西郷が奄美大島に島流しされていた文久元年(1861)頃の作で、
“たとえ獄中で破れ衣を着ていようが、心は大和錦をまとっているぞ”
という凜とした姿勢を表しています。

 西郷さんの言う“大和錦(魂)”を『西郷南洲翁遺訓』から推測して
みましょう。『西郷南洲翁遺訓』は、西郷さん没後、庄内藩が編纂した
遺訓集です。

●天を敬い、人を愛する 『敬天愛人』

 「道というものは天地自然のものであって、人はこれにのっとって
生きているものであるから、天を敬うことを目的とすべきである。天は
人も自分も平等に愛しているから、自分を愛する心をもって人を愛する
ことが肝要である」(※出典:西郷隆盛人間学)

 「道は天地自然の物にして」という言葉に表れているように、“大和錦(魂)”
を西郷さんは、「宇宙の原則、あるいは天の道理の上に、人間を天の器と
捉え、天に恥じない生き方を志向している姿」として見ていたのではないで
しょうか。

●「自分に克つ」とはどういうことか

 「学問を志す者は、理想を高く大きくしなければいけない。けれども
そのことだけに偏ると、修業が疎かになり、ただ学問さえできれば行い
などどうでもよいということになりがちだ。だからいつも自分のわがままな
心を克服し、道義心を修めなければならない。」(※出典:西郷隆盛人間学)

 克己、すなわち「自分に克つ」とはどういうことでしょうか。

 自分に克つとは、“修己治人”という言葉があるように、自分の弱さに
克つという己を修めることで、部下や国民を治世できる器をつくることです。
 
 経営品質活動でも、競争相手を認識することを強く意識していますが、
本当の競争とは、競合他社との競争ではなく、自分の弱さ、無知さ、傲慢さ
との闘いなんだと気づかされました。天に与えられた“自分だけの独自な役割”
を日々、“真道即生”で生き抜き、人生のゴールには“天命完遂”で人生の幕を
閉じる。こんな最高の人生を西郷さんから教えられました。

(文責:株式会社総合教育研究所 石橋正利)

★次号予告★
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次回は、『いのちの教育 −東井義雄の生き方−』です。
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