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☆週刊☆ 経営いろは帖 Vol.277 2008/06/30 毎週月曜日発行

執筆・発行/株式会社総合教育研究所 石橋正利
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いのちの教育 −東井義雄先生の生き方−
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 子供たち一人ひとりに授かっている“いのち”の花を咲かせようとした
東井義雄先生のことを神渡良平先生から教えていただいた。東井先生は、
生涯を初等教育に尽くされた方です。その“いのち”の教えは、私たちが
子育てや、部下の育成に際し、魂の深いところで忘れてはならないことの
ように思えます。

 東井先生が“いのち”はただ事でないことに気づかれたのが、三十歳頃、
三歳の長女が生死をさまよう大病に遭遇したときであり、次のような詩が
生まれた。この詩は、たとえ、相手が生徒であろうと、部下であろうと、
子であろうと、相手は“いのち”の働きが生かしている尊い存在であること
を強く私たちに訴えかけてきます。

≪みちよ≫
お前は「私」の子ではなかった
お前のいのちはとうちゃんなんぞの力で
どうにかなるものではなかった
みちよ
それだのにとうちゃんは
お前を「私」の子だなんて思い過ごしていた
みちよ
とうちゃんは今こそお前の「いのち」を拝む
そして教室の六十人のいのちを拝む

 これ以降、東井先生の“いのち”の教育は、亡くなるまで続くことになり、
多くの心ある教育者に引き継がれています。

 子供たち一人ひとりの個性を慈しむ眼差しがどんなものだったかは、
次の詩にも現れています。私の大好きな詩です。

≪光いっぱい≫
やんちゃ者からはやんちゃ者の光
おとなしい子からはおとなしい子の光
気の早い子からは気の早い子の光
ゆっくりやさんからはゆっくりやさんの光
正直者からは正直者の光
男の子からは男の子の光
女の子からは女の子の光
教室も運動場も光いっぱい

 最後に、ガンで若くして亡くなられた内科医井村清和先生の残された
言葉を『飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ』(祥伝社刊)からご紹介します。
井村先生が亡くなられる二十日前に書かれた「あたりまえ」という詩です。

 私自身、分かったつもりで、つい忘れてしまう“あたりまえ”ではない
“幸せな日々”への感謝です。

≪あたりまえ≫
あたりまえ
こんなすばらしいことを、みんなはなぜよろこばないのでしょう
あたりまえであることを
お父さんがいる
お母さんがいる
手が二本あって、足が二本ある
行きたいところへ自分で歩いてゆける
手をのばせばなんでもとれる
音がきこえて声がでる
こんなしあわせはあるでしょうか
しかし、だれもそれをよろこばない
あたりまえだ、と笑ってすます
食事がたべられる
夜になるとちゃんと眠れ、そして又朝がくる
空気をむねいっぱいすえる
笑える、泣ける、叫ぶこともできる
走りまわれる
みんなあたりまえのこと
こんなすばらしいことを、みんなけっしてよろこばない
そのありがたさを知っているのは、それを失くした人たちだけ
なぜでしょう
あたりまえ

 日々に忙殺されていると、不平不満、愚痴をこぼす生活は、止めたはず
なのに、つい口から出ている自分の姿にハッとさせられることがあります。
この「あたりまえ」の詩を洗面台の壁に張っています。忘れることのないように!

(文責:株式会社総合教育研究所 石橋正利)

★次号予告★
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次回は、『皆様のおかげで幸せな人生でした
                −本田宗一郎の生き方−』です。
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