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☆週刊☆ 経営いろは帖 Vol.278 2008/07/07 毎週月曜日発行

執筆・発行/株式会社総合教育研究所 石橋正利
http://www.sk-k.co.jp
http://www.sogokyouiku.com/ (ブログ)
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このメールマガジンは、名刺交換をさせて頂いた方、ホームページより
ご登録を頂いた方などのご縁を頂いた皆様に配信させて頂きます。皆様
のお仕事においてこの情報が少しでもお役に立てれば幸いです。

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皆様のおかげで幸せな人生でした −本田宗一郎の生き方−
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 以前、本田技研工業様でコーチング研修をお受けした折、社員の方
からホンダ社史「語り継ぎたいこと・チャレンジの50年」をいただいた。

 もともと、本田宗一郎さんが好きだった私は、とても、うれしかった
ことを覚えている。本田さんが好きになったきっかけは、私が40歳の頃
読んだ、本田さんのホンダ月報(社内報)に載っていた次のような考え方
でした。

●我が社のモットー『三つの喜び』

 第一の造る喜びとは、技術者にのみ与えられた喜びであって、造物主が
その無限に豊富な創作欲によって宇宙自然の万物を作ったように、技術者が
その独自のアイデアによって文化社会に貢献する製品を作り出すことは、
何物にも替え難い喜びである。

 第二の喜びは、製品の販売にあたる者の喜びである。我が社はメーカーで
ある。我が社で作った製品は、代理店や販売店各位の協力と努力とによって、
需要者各位の手に渡るのである。この場合に、その製品の品質、性能が優秀で、
価格が低廉である時、販売に尽力いれる方々に喜んで頂けることは言うまで
もない。

 第三の喜び、即ち、買った人の喜びこそ、最も公平な製品の価値を決定
するものである。製品の価値を最も良く知り、最後の審判を与えるものは
メーカーでもなければデーラーでもない。日常製品を使用する購買者その人
である。

●運営方針の一つである『仕事を愛し職場を明るくすること』

 働きよい職場で本当に仕事に情熱を打ち込むことのできることほど幸福な
ことはない。われわれはいつも相手の立場を尊重し、お互いの美点を認め
合う気持をもつことが大切である。職場は人格練磨の場であり、人間完成の
ところでもある。真に自己の一生を託することのできる職場を作り上げる
ことこそ全体の幸福を探求する道であり、そのためにこそみんなで協力し
合ってゆかなければならない。

 この本田さんの考え方が、私の人生を決めたといってよい位、影響を受けた
ことを、今でも、鮮明に覚えています。

 さらに、今号では、84歳でその生涯を終えた時の「お礼の会」の記事から、
本田宗一郎さんの生き方を学ばせてもらうことにします。

 本田宗一郎さんは、常々、「素晴らしい人生を送ることができたのも
お客さま、お取引先の皆さん、社会の皆さん、そして従業員の皆さんの
おかげである。おれが死んだら、世界中の新聞に“ありがとうございました”
という感謝の気持ちを掲載してほしい」と周囲に話していたそうです。

 「おやじさん(本田宗一郎さんのこと)らしくお送りしたい」という社員の
思いから、社葬ではなく、「お礼の会」という名前が付けられたんですね。

 本田さんは、一つひとつの製品や技術に自分の心を通わせ、「おれの人格の
一部である」とも言っておられたとのこと。“ビス”一つに、心を通わせる
技術者としての魂の誇りを感じます。モノづくりの喜びの原点なのでしょう。
経営品質活動に取り組むメーカーのみなさんには、ぜひ、忘れてほしくない
言葉です。

<本田宗一郎さんの生き方>

 感情を素直にさらけ出し、時にはぶつかり合いながらも、多くの人々と
想いを分かち合うという生き方を貫いた本田さん、心と体の温もりが
こもった製品づくりを貫いた本田さん、人生の最後に「皆様のおかげで
幸せな人生でした。どうもありがとう」と言い残した本田さん、貴方の
ような生き方を見せていただいて、どうも、ありがとうございます。

(文責:株式会社総合教育研究所 石橋正利)

★次号予告★
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次回は、『父親の役割とは何か −37歳で体験したショック−』です。
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