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☆週刊☆ 経営いろは帖 Vol.297 2008/11/17 毎週月曜日発行

執筆・発行/株式会社総合教育研究所 石橋正利
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http://www.sogokyouiku.com/ (ブログ)
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のお仕事においてこの情報が少しでもお役に立てれば幸いです。

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目標管理の勘違い −想像と創造−
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 改善活動の生みの親であるデミング博士の目標に対する考え方を、
吉田耕作博士の著書「ジョイ・オブ・ワーク/組織再生のマネジメント」
から教えてもらいましょう。

「“無欠点”(zero defect)や“より高い生産性を”、とかいうような
スローガン、激励、目標等は一切止めること。目標による経営をやめ、
数字や数値目標による管理をやめること。工場内で数量割り当て(Quotas)を
やめること。代わりにリーダーシップを発揮すること。リーダーシップとは
人々や機械や装置がよりよい仕事をするのを助けることである。仕事に対
する誇りを奪うような諸障害を取り除くこと。監督者の責任は数量だけの
管理から質の管理に変わらねばならない。」

 このデミング博士の目標に対する考え方を知ったとき、今までのビジネスマン
人生の価値観が根底からひっくり返ってしまった。それまでは、目標は
上からブレークダウンされて来るものだと思いこみ、目標はプレッシャーの
対象でしかなかったからである。

 目標管理をやっていない企業はないと言ってよい。問題は、“目標”がある
ことが、ジョイ・オブ・ワーク(仕事に喜びを感じる)にならない現状にある。
その原因をデミング博士は、“リーダーシップ”にあることを見抜いている。
「目標を与える代わりに、目標を自ら掲げて挑戦する組織」をつくれるリーダー
シップを組織のリーダーに求めている。

 では、このようなリーダーシップを発揮するにはどうすればいいのか?
そのために、デミング博士の言う「よりよい仕事をするのを助けること。仕事
に対する誇りを奪うような諸障害を取り除くこと。」を考えてみよう。

 まずは、“目標”に魅力がなくてはね。販売目標や生産目標の“数字”
そのものに、魅力を感じる人はまずいないでしょう。だから、“目標”を
達成したいという動機が出てくるはずがない。この状況下で、目標を達成
させたいと思う経営者やマネジャーは、「目標が達成できないやつは、能力
がないと見なす」と恐怖心を煽って社員や部下をコントロールしようとして
しまう。では“目標”に魅力がもてるようにするにはどうすれば、いいのか?

 私たちは、人間ですから、“目標”を達成することが、誰かの役に立ち、
誰かの喜びにつながっていると実感できることが大切なんですね。

 デミング博士も「製品やサービスをつねに向上させたくなる不動の目的を
打ち立てること」を掲げているのも、“不動の目的”つまり、使命感を伴う
存在価値が感じられる職場環境をつくろうということでしょう。

 まずは、「何のための働くのか」を一人ひとりが職場で語り合うことから、
始めましょうか。

 わくわくする“目標”がもてるようになったら、その達成した状況を“想像”
しましょう。五感のすべてを使って感じましょう。その場の雰囲気、聞こえて
くる人の声、周りに見えるもの。そして、喜びにあふれている自分自身を感じて
みましょう。それが、“創造”につながります。喜びにあふれる感情のエネルギーが、
“目標の創造”につながるからです。

(文責:株式会社総合教育研究所 石橋正利)

★次号予告★
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次回は、『七福大笑い −七福神と笑おう会−』です。
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